白子20100224

埼玉県和光市白子二丁目。このあたりは川越街道の白子宿として栄えた町だが、観光地として整備されている訳でもなく、平日の昼間に訪れるような若い男など俺のほかにいない。東武東上線の車窓から眺めていて、和光市と成増のあいだ、深く抉られた地形に、以前から関心があったのだった。旧街道と白子川の交わるあたり、熊野神社に向かった。志木からは片道一時間のサイクリング。

開運利益洞窟めぐりと書かれているが、白子川に抉られた崖の斜面、鬱蒼とした林のなかで、開運などと考えるやつはいない。

富士山の溶岩で作られたという洞窟。こんなに手間をかけたのに誰も来ないな。

洞窟の内部は、ISO 6400、F4、1/10秒でようやく写せたほどに暗い。天井の突起に頭をぶつけた。


夏に来たら涼しかろうと思うが、冬に来たからといって暖かくはない。

長さ二十メートルの洞窟に、十五分も滞在していたが、誰も来なかった。

日露戦争のとき旅順へ出陣する乃木希典がここで滝に打たれて修行したらしい。俺は自販機でコーヒー買って飲んで帰った。
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