川口この記事を はてなブックマーク に追加この記事を はてなブックマーク に追加

 盛夏のような日射しが降り注いでいた今日、初めて、同行者のいない一人きりの墓参りをしてきた。葉に覆いつくされた鋳物工場を背景に立つ墓石へ、汲んできた水を掛け、砂埃や落ち葉などを洗い流し、線香をあげて手を合わせる。故人に対して何かを願うわけでもなく、自身の平穏といったものを祈るわけでもなく、ただ、そうやって時間を過ごしたというだけのことで、何の意味があるのかはよくわからないが、取り残されたような、世間から隔絶されたような時間を、自分は必要としていると思った。川口について何か書きたいけれど、キューポラのある街、という映画のことはよく知らないし、亡くなった祖父が、たしか鋳物工場で働いていたかなと思うが、定かではない。

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