足りないもの

欠けているところがあると 誰もが皆 充たされる
わずかにある わだかまりも忘れて

(羅針盤『足りないもの』)

 自分に欠けているもの、足りないものを補うために、何かを探してこようと考えたときに、何が自分に足りないのか解らないから困っていたんだと気付いて茫然とする。自分のどこかが欠けていることは認識しているから、無理をして埋めようと思わなければ、いつまで経っても、そこは空っぽのままで変わらない。開いた傷口をそのままに放置するような真似はしたことがないけれど、おそらくそれに近い感覚はあって、時々、疼痛が起こる。

 自分に足りないものを持っている誰かがいたときに、その人と関わりたいと思い、関わったところで自分がすぐには変わらないと解っても、それで構わないんだと考えた。たとえば俺が嘘ばかり話している人間だとすれば、俺は本当のことを言いたいと願い続けながら、暫くのあいだ嘘を言って生きていればいい。表に出すことよりも内側で考えていることのほうが大切だ。本当のことを言いたいと考えなくなるほうが、深刻な結果になると思う。たとえばの話なんだけどな。

 足りないものがあるから補いたいと考えたり、他人と関わりたいと思える。欠けているところをそのままにしていられるほうが幸せかもしれないなんてことを、羅針盤の曲を聴きながら考えていた。最近何日か、この曲が頭のなかでリピート再生され続けていて、ぼんやりしていたから、大した意味はないけれど書き留めてみる。

大切なことだけ なぜか上手く 抜け落ちてる

(羅針盤『足りないもの』)

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