彼岸この記事を はてなブックマーク に追加この記事を はてなブックマーク に追加

 彼岸の中日だった昨日、実家へ行き、墓参りをして、帰りの車のなかで親父と話をした。今後の方針について正直に話したとしたら、呆れられるか殴られるかするのではと懸念していたけれど、意外にも納得してもらえた。流されて決めている訳ではなく、ちゃんとした考えがあってのことで、現状においては最良の選択だと俺は考えている、それが伝わったみたいだ。

 大学の通信教育には在籍を続けながら、来年の春から正社員として働くことにする。就職時の学歴としては「高校卒、大学四年次に在学中」となるのが妙だけれど、働きながら卒業を目指すことを理解してくれる会社に巡り合えればいい。希望する職種もおおかた定まってはいるが、これについては仕事が決まってから書きたい。

 墓参りをしたのは二年前に祖父が亡くなったとき以来だった。最近五年くらいで親戚が何人も立て続けに亡くなって、俺は未だに死というものを実感できないけれど、両親が相当に打ちのめされているのは感じ取っていた。そこから緩和されるか、もしくは増幅されたものが、親から子に伝わっている。親から溢れた感情が五人の子どもたちに伝わり、俺は受け止めているつもりだったが、吸収しきれずに滞留しているものは未だにある。桶に溜まった水に起こる波がいつまでも反射し続けるように、狭いところで傷つけあっている。時々実家に帰ると、夜中に散歩しながら、親父が溜め込んでいたものを吐き出すことが多い。

 何年も気の休まらないときが続いていた親父は、話を聞いて少しだけ安心したようだった。これからの俺が、自分のしたいことを優先はしながら、誰かに嘘をついたり裏切ったりはせずに、誰かを安心させられるように生きていたいと思う。

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