ノート 320080601

2007.7.1 路上 ― (George Parks Highway) ― Talkeetna
ほとんど眠れていないが午前六時にテントを畳む。雨が降り続いている。自転車に積んだ荷物は水を吸って重く、冷たかった。雨に濡れながらチョコレートバーをかじり、パイナップルのネクターを飲み干した。空缶をくしゃくしゃに畳んで鞄にしまい、走り始める。針葉樹林帯を切り拓いた見通しのよくない道がえんえんと続き、時々、教会と小さな集落などを見る。何時間走っても景色が変わらず、道端に立てられたマイルポストの数字だけが増えていった。
三十五マイル(五十六キロメートル)走ったところでドライブインらしきものを見つけ、ふらふらと入っていく。売店に入って一ドル九十九セントの菓子パンを買い、体が冷え切っていたのでコーヒーも頼んだ。店のオヤジが二種類の紙コップを手に取り、大きいほうは七十五セント、小さいほうが五十セントであると言った。小さいほうの紙コップをもらい、自分で魔法瓶から注いだ。砂糖を入れていないのに甘い香りが漂い、そのまま啜ってみると、やはり甘くはなかったが、強烈な旨みが口から喉へ流れた。寒さで手が震えるのを抑えながら、時間をかけて飲んだ。
ここからタルキートナまでの距離はどのくらいか、と拙い英語でオヤジに訊ねた。クマのような風貌のオヤジは、しかしゆっくりと優しい声で、二十五マイルだと言った。ここからジャンクションまでが九マイル、そこで右に折れて、さらに十六マイルだ。礼を言って店を離れ、温まった体が冷めないうちにと先を急いだ。途中、立ち止まって菓子パンをかじる。蜜がしみこんでクルミの入った大きなパンを半分ほど食べ、再び猛然と走った。
午後二時、タルキートナ到着。キャンプ場にテントを張り、観光を後回しにして眠る。夜になって飯を食い、この日記を書いて再び眠りにつく。四日間まともに眠れていなかった。乾いた服に着替えて寝袋に入り、十六時間、眠った。
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